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塩のイタズラとは?

  • Posted by: 灰谷 純一
  • 2017年1月26日 13:20

リールの大敵、「塩」が内部でどんなイタズラ(?)をしているのか?

 

まずはベイトリールで最も修理頻度が高いのが、クラッチの不具合です。

ベイトリールのスプールの回転をフリーにするためのクラッチですが、「クラッチを押してハンドルを回してもクラッチが戻らない。」「スプールが回らない。」という症状は、ほぼ「塩つぶ」が原因です。

では、リールの中で何起きているのでしょうか?

 

下図はラインが巻き取れる状態で、「スプール」と「ピニオンギヤ」がつながってる状態です。

赤い矢印が問題が起きる場所なんですが。。。

17クラッチ1.pngこの状態からクラッチを押すと。。。17クラッチ3.png「スプール」から「ピニオンギヤ」が離れ、「スプール」がフリーになりラインが出て行きます。

そして、ハンドルを回すと上図の様に再び「ピニオンギヤ」が「スプール」とつながってラインが巻き取れます。

この時、「ピニオンギヤ」を支えているのが「ベアリング」なんですが、この「ピニオンギヤ」と「ベアリング」のdownwardleft赤い矢印のわずかな隙間に「塩つぶ」が挟まってしまうと、「ピニオンギヤ」が戻れなくなってしまい、先の症状が発生してしまうのです。

「先週まで使えてたのに、今日は使えなくなってた。」のは「錆た」のではなく、リール内に残留していた「海水」の水分が蒸発し、「塩つぶ」が残ってしまい、その「塩つぶ」が挟まってしまうのが原因なんですね。

錆が発生するには数週間掛かりますが、水分が蒸発するには1週間もあれば十分です。

「3回しか使ってないのに壊れた。」というのは、リール内部に残っていた少量の海水が原因なので、使用回数が少なくても発症してしまうのです。

あと、「昔から使っているリールのクラッチは壊れないのに、最近買ったリールの方が先に壊れた。」というのは、最近のリールは「ピニオンギヤ」と「ベアリング」の「隙間」が狭くなったからなんです。

なぜ、この「隙間」を狭くしたのかと言うと、狭くする事で回転のガタつきが少なくるので、回転が滑らかになったり、巻き上げ効率が良くなったりするからなんですね。

昔のリールは精度が低く、ここの隙間が大きかったので、多少の塩つぶでも挟まらなかったから長持ちしたんです。

最近のベイトリールは巻き心地の良さなど機能的に良くなっているのですが、クラッチの耐久性が落ちてしまったのはその所為です。

 

続いてスピニングリールの最も不具合が多いのが「ラインローラー」です。17blr.png「空で回しても音が鳴らないのに、ラインを通して仕掛けを引いたらジャージャー鳴る。」ってのはここが原因なんです。

上図の赤い〇印の金色の部分で、ラインの出入りに合わせて回転しているパーツですね。

何気なく付いている部品ですがスピニングリールの宿命、ライントラブルを抑え込んでいる重要なパーツなんですよ!

この「ラインローラー」は回転する事で糸よれを防ぎ、ライントラブルを抑えているいるんですが、ラインが常に当たっているという事はラインと一緒に付いてくる海水も常に当たっているんです。

この「ラインローラー」の中には、「ベアリング」が入っていて(中~上位機種のみですが・・・)スムーズに回転する様になっています。

その「ベアリング」ですが、先の通り海水に当たり続ける過酷な場所なので、傷むのも早いんですね。(最近ではこの部分を防水し、ベアリングを保護している機種も有りますが、これも一部の上位機種に限られてしまいます。)

リールに詳しい方ならご存知かもしれませんが、最近の「ベアリング」は錆に強い「防錆ベアリング」が採用されています。

それ以前の「ベアリング」より「防錆ベアリング」は確実に錆にくくなっていますが、全く錆びないわけではありませんし、数回の使用で異音が出てしまう事が有ります。

それはなぜか?海水中の「塩分」つまり「塩」が原因なんですね。

これがリールに入っている一般的な「ベアリング」です。17bb5.jpgこれを簡単な透過図にすると、外径と内径の間に「玉(ボール)」が入っている構造です。

この「玉」が回転部の抵抗を減らし、回転をスムーズにしているんですね。

17bb4.pngこれを使用後、「ベアリング」の中に海水が入った状態を正面から見ると。。。17bb1.pngこの状態でそのまま乾燥してしまうと。。。17bb2.png水分は蒸発しますが、「塩」の結晶は内部に残ります。

この状態で回転すると。。。17bb3.png「塩」が「玉」を傷だらけにしてしまい、「ジャージャー音」が発生してしまうんですね。

こうなっては水洗いしてもオイルを注しても「玉」の傷は治らず、「ベアリング」を交換しなくてはなりません。

さらに、症状が進むと「ベアリング」の回転は止まってしまい、ラインは「ラインローラー」を擦りながら巻いてしまい、ライントラブルが続発してしまうんです。

 

これらの浸水→乾燥→塩分残留の流れが数回の使用での故障、異音の原因なんですね。

とにかく、リールにとって海水は大敵なんです。

その海水を除去するには、「水洗い」!

先に書いた様に、リールの故障の原因は「海水」と「塩」なので、これらを除去する事がとても大事です。

釣行後はリールが乾く前に水道水で、海水を洗い流すのが1番大事です。

この時にやってはイケない事は、「水没」と「お湯」「洗剤」を使う事。

どれもリール内部を保護しているグリスやオイルを流してしまい、リールの耐久性を低下させてしまいます。

 

さらに、効果的なメンテナンスは「注油」!

「注油」は、「オイル」や「グリス」を注す事で、故障の原因となる錆びの進行を遅らせたり、水の侵入を防いだりする事ができます。

ただ、これも闇雲に注せば良い訳ではなく、「オイル」や「グリス」の「適量」を「適材適所」に注す事が大事です。

リールにはサラダ油の様に「常温で液体」の「オイル」と、バターの様に「常温で固体」の「グリス」があり、リールの場所によって最適な物が使い分けられています。

新品の1台のリールには少なくとも4~5種類の「オイル」や「グリス」を適材適所で使われており、間違った注油をしてしまうと、リールの機能を大きく損なってしまう事があります。

リールの機種によっても注油箇所が違ったり、最近のリールでは注油禁止の場所もあります。

そこで、「オイル」や「グリス」を当店でお買い上げ頂いた方に、リールのメンテナンス方法を無料で説明させて頂きます。

今お使いのリールを使用し、どこにどう注油すれば良いのかを実演するのと同時に不具合の有無を確認します。

軽度な不具合で、店頭に在庫が有るパーツならその場で治りますし、在庫が無ければパーツのお取り寄せで修理させて頂きます(1~2週間掛かります)。

重症ならメーカーに預けて修理(2~3週間掛かります)する事も出来ますので、お気軽にリールをお持ち込みくださいませ。

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